大好きよ
大好きよ
あなたが私を嫌いでも
私はあなたを愛してる
何度でも
何度でも
−きっとあなたに恋をする。−
まぁったく、今目の前にいられたらたとえ恩ある師匠でも刀を向けない自身は無い。
ってゆーかむしろ殺っちゃうよ?みたいな。
ほんとにやったら二度とお日様は見られなくなるだろうけど。
それにしたってひどい。
ひどすぎる。
実は悪魔なんじゃないかって思うよ。
うん、いやもう悪魔でしょ、あの人。
決まり決まりけってーい。
…て、そうじゃなくて俺。
あの人が俺にこんな呪いめいた術を掛けたのは(しかもおそらくオリジナル)間違いなく単なる嫉妬だ。
全てを包み込むほどの心の広さを持っていたはずなのに。
なじられても笑われてもニコニコしてるくらいの余裕を持っていたはずなのに。
自分の息子に対する感情だけはコントロールできなかったらしいのが、あの人らしくて笑えてくるね、まったく。
だからといって、それを俺にぶつけてくるのはお門違いもいいとこだけどさ。
あの日あの子に重ねてしまった淡い想いは、それなりに俺の気持ちを揺るがすには充分で。
だって、そうじゃないか。
遠い記憶の想いをあの子に重ねるなんて、失礼にも程がある。
あ、俺、今すごいまともな事言ってる。
人の感情に敏感すぎるほど敏感な子どもだから。
きっと俺が見ているのが自分じゃなくたって笑ってみせるくらいするから。
にしし、って笑って。
声も無く心で泣いて。
あの子への想いが増せば増すほど、既視感は強くなっていった。
あの子の笑顔に懐かしさを感じた。
あの子の声が記憶を揺さぶった。
当たり前だっつーの。
最期に会った時に掛けられた悪魔の呪いは、
「自分がいない間にこれ以上仲良くなるなー!」
という、馬鹿みたいな息子コンプレックスで、その方法は単純。
俺の記憶を封印すること。
たしかに、ナルトの俺への懐きっぷりは凄かった。
生まれてすぐだというのにきゃいきゃいと、笑う笑う。
泣くのは俺と別れる時だけ。
そりゃあ仮にも父親ならおもしろくないだろう。
しかもその状態でお別れというのだから、死んでも死に切れなかったのだろう。
だけど、やっぱりあの人は優しくて。
ちゃんと術解除のきっかけを残してくれた。
むしろ、そうするまでに苦悩するであろう俺を想定していたことは間違いない。
実際そうだったし。
きゅっと笑った顔も
可愛いくぁわいい笑い声も
ちっさな手も
もう忘れたりなんかしない。
「カカシせんせー!」
「ナルト」
大好きよ
大好きよ
あなたが私を忘れても
私はあなたを覚えてる
キスをして
抱きしめて
あなたは私に振り向くの
だからもう一度
キスをしよう