御褒美をちょうだい。
頑張った御褒美を。
甘い時間という御褒美を。
−御褒美−
「…って思わない?ナルト」
「ん〜」
ぐるりとカカシが顔を向ければ、そこにはうつ伏せでなにやら真剣に本を読んでいるナルト。
その熱心さから感じることに、絶対カカシの話などこれっぽちも聞いてはいないだろう。
それでも返事を返すだけマシというものだ。
「だからね?こんだけ頑張ったんだから何か御褒美欲しいな〜って」
カカシという男は、ナルトに関してだけは諦めるという言葉を忘れるらしい。
いっそ気の毒なほど尽くして、尽くして、尽くしている。
本人は嬉々としているが。
だがどうやら今日のカカシはどこか強気になっているらしい。
「カカシ…」
「え、何!?」
カカシが嬉々として顔を上げ、ようやくカカシに視線をやったナルトは、にっこりと微笑んだ。
「俺が一緒にいるんだぜ?」
「うん」
「立派な御褒美だろうが」
「…っ!!」
顔を赤くさせたカカシから視線を本に戻し、先ほどとは違う柔らかい微笑を無意識に口元に浮かべた。
お前が傍にいるだけで、甘い時間になるんだよ。