君は甘い甘いスウィートハニィ
ハチミツ色の飴の髪
砂糖漬けのチェリーリップ
ふわりふわふわマシュマロほっぺ
齧れば蜜の溢れ出す
−甘い時間をあなたと−
「えー!あんた甘いもん駄目なの!?おしるこ食べてたじゃない!」
さわやかな空の下ではそんな気候に似つかわしくない叫び声が響いていた。
まだ姿を見せない上司が来るまでに色々な事をしたり修行をしたり話したりというのは慣れたもので。
きっかけは何であったか。
ナルトの見た目からして甘いものは好むであろうと話をふると、返って来たのはサクラもサスケも予想していなかった答えだった。
「食べ慣れてないんだってばよ」
「…あぁ、あんたラーメンとかしょっぱい系好きなんだもんね」
呆れたようにサクラが呟けば、
「塩分過剰摂取…か…」
とサスケも意外そうな顔をしながらぼそりと言った。
逆に、サスケは見た目に違わず甘いものは苦手なようで、ナルトとの意外な共通点である。
「残念ねー、これじゃあせっかくお菓子作ってきたとしても食べてくれないわね…」
「えー食べるってばよ!…って、それにカカシせんせーは甘いもの嫌いじゃないってば」
「え?あの先生甘いものとか絶対食べないって聞いたわよ?」
「俺もたしか…聞いたな」
しばらく前に会ったアンコさんの「アイツってば甘味の良さを知らない愚か者なのよ!」という台詞を思い出す。
良さを知らない、ということは好きではないという事なのだろう。
もっとも、甘い物が苦手なサスケも微妙な顔をしていたが。
「食べてるとこも見たことないわよ?」
「でも言ってたってばよー?」
ナルトがむむむ、と首を傾げた。
「…あんた、それ実際には何て言ってたのよあの変態上忍」
「へんた…ひどいってば…フツーに「甘くて美味しそうだよねー」って」
「何を見て言ったんだ?」
「えーと…俺が料理してる時にハチミツ使おうとしてたら…だってば」
それを聞き、思い当たる節があるのか途端にげんなりとする2人。
「…あ、私なんかわかった。分かりたくなかったけど」
「…俺もだ、気付いた自分がむかつくが」
「は?えー!何だってば2人ともー!!」
知らぬは本人ばかりなり。
「…だってよ。お前好きだったか?甘味」
「いや?あれはねー」
「…いいや、言うな、黙っとけ。何となく分かったから」
「だって、あいつ甘いじゃない」
「聞けよ人の話を」
「髪の毛とかさ、ハチミツっぽいし、身体も舐めたら甘いしさ、瞳の色も綺麗でさー、もうちゅーなんてしようものなら…」
「変態…」
「事実ヨ?」
「じゃあ俺がためし「はっはっはー、殺るぞー?」